身代わりの姫
帰る時間が近付いて、服を着替えて王妃と王宮に戻る。
ホールには王と王太子が見送りに来てくれていた。
その後ろに、護衛隊がいた。
そこにシリルも見えた。
コゼットも何やらたくさんの荷物を持って待っていた。
「まあ、コゼット?この荷物は?」
「なんだか、色々もらいました」
苦笑いのコゼットに笑顔で頷いた。
「馬車まで誰か持ってやれ」
王太子の言葉に走り出てきたのはシリルだった。
「すみません……」
コゼットが幾つかの荷物を渡した。
「ありがとう」
声を掛けると
「いえ、大丈夫ですから」
と微笑んだシリルに笑顔を返した。