身代わりの姫
その時、兵士が走ってきて言った。
「バルテモン国王太子殿下が妃殿下をお迎えに来られました!」
一同が驚く中
「まぁ、愛されておいでですわね」
と言ったコゼットの声に、全員が微笑んだ。
では、行こう、と王太子と王を先頭に王妃とあるき出した。
玄関の所にいたジルが頭を下げた。
「今日は妻がお世話になりました。
楽しそうですな。
視察の帰りで、迎えに寄りました。
連絡もせず、申し訳ありません」
「いやいや、安心して送り出せる」
穏やかに言った王に軽く頭を下げた。
「ジルベール王太子、祝の品を受け取っております。
ありがとう御座います。
国王にもお伝え下さい」
「いえ、ダリアン王太子、おめでとうございます。
晴れの日を楽しみにしています。
で………その荷物は何だ?」
ジルはコゼットとシリルが持っていた荷物を見て、驚いていた。
「コゼットが………」
そういうとコゼットが焦って言った。
「申し訳ありません、荷物が増えました」
「ハハハハ、まあ、良かったな。コゼットも楽しめたようだな。
割れ物以外は屋根に積んでくれ」
コゼットとシリル、御者で荷物を積んでいった。