身代わりの姫
馬車で駐屯地に行き、兵士を激励するようにジルが話をして、軍幹部の人と握手をした。
その後、川沿いの散歩道をジルと腕を組んで歩く。
鳥が川に降り立ち、木の葉がフラリと川に落る。
ゆっくりそんな風景を見ていた。
その時、鳥が羽ばたく音がして、振り返ると、矢が飛んできていた。
「ジル、下がって!」
持っていた、鋼の扇子ではたき落とすと更に2本の矢が飛んできて、それもはたいた。
バッグに忍ばせていた、短剣を出して、構えるとジルが後ろで剣を合わせていた。
その時、何者かが目の前に来て、反射的に短剣でその振り下ろそうとした剣を押さえた。
やっと追いついた兵士が、3人の刺客のうち2人を捕らえていた。
「御怪我はないですか?」
「いえ、大丈夫ですわ。何者ですか?」
「それは今から調べる………お前は………?」
「………………」
じっと伺うような目線をしばらく見返したが、私から目を逸らせた。
「とりあえず、馬車がもう到着しますから」
兵士の言葉どおり、その時来た馬車に乗って私達は城に向かった。