身代わりの姫


目を開けると、ステンドグラスが見えた。


そう言えば、教会に着いたのだったわ、と思い出した。


「目が覚めましたか?おはようございます」


黒いベールを巻きつけた、優しく笑う女性がいた。


「ここは?」


「タリスタ、という町です。あなたは砲撃から逃げてきたの?」


頷いた。


「あの、ここも砲撃されたのですか?」

「ええ。でも、戦争は終わったわ。
王太子様が相手の王太子を捕まえて、その国と今は話し合いをしているそうよ?」


「そうですか………」


ジルが戦争を終わらせた……。

心からホッとした。




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