身代わりの姫
「覚悟を決めてくれているようだね。
それから、ダリアン、リリア、アリア。
お前たちに、生涯内密の話があって、今日は呼んだのだ」
穏やかな表情の王が少し思いつめたような表情に変わった。
全員が王を見て言葉を待った。
王妃をみて小さくため息をついた王が口を開いた。
「………リリアとアリアは、双子だ」
3人が目を見開いた。
「王家の双子はタブーだ。
この件を知ってるのは、レオ夫婦と医師とわしの側近二人とマアサと神父だけだ。
リリアの後に生まれたアリアを1時間ほど二人で抱いて、レオの家に預けた。
アリアが元気に育ってくれたこと、立派に育ててくれたこと、わし達夫婦は感謝しておる。
わしの娘として育てられず、アリアには申し訳なかったな。
アリアを影武者にするつもりはなかったが、それだけの能力があると分かったからなのだ。
アリア、宜しく頼む」
「………はい」
私がリリアと双子?
衝撃的な出生の秘密を聞かされて、動揺していた。
「アリア?ベールを……取ってくれないかしら?」
王妃の声に頭からベールを外した。
王家一家が私を見て、目を見開いた後、微笑んだ。
ダリアンがクックッと笑いながら言った。
「そっくりだな。今までは変装だったわけだ」
「いえ、変装していたわけでは………」
ただ、素顔だっただけである。
「アリア、ありがとう。レオもエルザも………」
目に涙を浮かべて王妃が言った。
レオと二人で、頭を下げた。