身代わりの姫


コラに案内されて、隣の住居になっている家に入った。


「ここが居間です。

デジ?今日からここで生活をする、サリですわ」

「あら、こんにちは。教会で寝ちゃってた人ね。
体調は大丈夫?」


同じように黒いベールを巻きつけた若い女性がいた。
歳は私とあまり変わらないであろう、明るい笑顔で話しかけてくれた。


「こんにちは。ご迷惑をおかけしました。
元気ですわ。これからよろしくお願いします」


「コラ?私の隣の部屋?」

「ええ、案内してくれる?私は昼食を作りますから」

「はい。サリ?行きましょう」

デジレに着いて階段を上がるとデジが1つの扉を開けた。
小さなベッドとチェストと机と椅子がおいてあるシンプルな部屋だった。


「ここを、使ってくださいな。あ、掃除はお好きなようにね」

と新しい雑巾とバケツを渡された。


窓を開けて、空気を入れ替えると、とりあえず乾拭きをした。

ホコリを出してしまわないと……


その日は半日かけて掃除をして、寄付で貰ったという服の中からサイズが合いそうな服を選んだ。







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