身代わりの姫

この強引でヤンチャで逞しい、そして私を愛する優しい男を放っておけない。


なぜなら、私がこの男を愛しているから…………。




どこかで、見つけ出してくれることを、願っていたから。




この人を、愛していこう。


「…………もし、戦争があっても、どんな時も、私はあなたの、傍に…………いさせてくれるの?」


「ああ。もう………お前の覚悟は、分かったから………」


諦めているような言い方だった。


「………1ヶ月…………待ってて?」

「なぜ?」

「ちゃんと、区切りをつけてくるから。
このまま、急にいなくなることは、できない………

大丈夫、逃げたりしないから……


将来の王になるあなたのそばに、ずっといるわ」



熱いキスをされる。

応えるより、受け入れるだけで精一杯だった。


分かったから、1ヶ月待つ…………1ヶ月後、迎えをやるから、絶対に来るんだ…………



暗くなった海岸で、寄り添う2人を星が見ていた。




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