身代わりの姫
「お久しぶりね」
2人になって、声をかけた。
「ほんとに………」
じっと私の顔を見る目は、真剣だった。
「あなたは……レオナ、でしょ?」
久しぶりに、レオナ、と呼ばれて、王宮で過ごした日を思い出した。
「………何か、聞いたの?」
「いいえ、私は、分かっていたのよ。
侍女にしては、王女の近くにいることが多くて、時折いなくなる。
身代わりとしてここに嫁いだの?」
「そうであって、そうでないわ。
詳しくは、まだ話せないけど…………。
そう、私は、あなたと一緒に王女に仕えていたレオナだわ。
騙したわけじゃないのよ」
苦笑いで認めた。