身代わりの姫
「時々いなくなるあなたを不思議に思ったのよ。
休暇も不定期だから、まあ、最初は気にしていなかったけど。
公務で外に出られる時に、何か違ったのよね。
ニオイっていうか、雰囲気っていうか………。
確信したのは、結婚式の時。
あの、不安症な王女が、ジルベール王子に笑顔を向けたから。
その勘は間違ってなかったのね。
詳しくは、また、いつか話せる時でいいのよ」
ふわっとコゼットが笑った。
「ありがとう。
あなたは、どうしてたの?」