身代わりの姫


あと5日でジルの元に戻る日。


その日は、リラたちと送別会として食事をリラの家でたくさんの人と一緒に食べた。

エドに送ってもらうことになり、2人で夜道を歩く。


「本当にいなくなるのか?」

歩きながら、エドが言った。


「ええ、故郷ですることがあるのよ」


そうか、と言ったきり沈黙になった。


「色々教えてくれて、嬉しかったわ、ありがとうね」

魚のこと、この町のこと、エドが優しく教えてくれてきた。


「そうと分かってたら………」

ボソッと言ったエドを見た。


「本当の修道女じゃないなら、ちゃんと言えば良かった。




俺と結婚してくれないか?そしてこのままここに住めばいい」




驚いて、顔を見つめると、夜道でも分かるエドの真剣な顔に、立ち止まった。





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