身代わりの姫
「いや、分かっていたんだ。
この町の中に、溶け込んでいるようで、どこか違う。
でも、この町で一緒に暮らしてほしい。
俺と一緒に………」
思いがけない告白に、どうしていいか分からない。
でも、私は、ここにいられない。
「ごめんなさい、私はここにはもういられないのよ。
でも、ありがとう。
楽しい日々が送れたのは、あなたのおかけでもあるのよ。
きっと、あなたも幸せになれる相手がいるはず。
それは、私ではないわ」
彼の幸せを心から願いながら言った。
「ああ、分かってるんだ。
多分、サリには決まった人がいるんだろう」
「一途じゃなくなってるかもしれないけどね……」
プッとエドが笑った。
「大丈夫だろ、きっと。でないとコゼットさんが来るわけないだろ?」
「そう思うの?」
「ああ、なんとなく分かる」
「フフフ、なんかよくわからないけど、エドが言うなら、そうかもしれないわね」
教会の前で、おやすみなさい、と別れた。