身代わりの姫
6
翌日、町に旅芸人達が来た。
町中、喜んでいるのも無理はない。
格安で踊り子達の踊りや大道芸、手品などが見られるのだ。
明日から3日間の興行のため、テントを張っていると言う。
「面白そうじゃない?行きましょうよ」
ウキウキと話してくれるのは、デジレだ。
そうね、とコラが考えていると、扉をノックされた。
コラが開けると、薄い茶色の髪をフワリとカールして赤い口紅が似合う華やかな顔の、赤いバラの柄でビッタリしたインナーに黒のレースの布の羽織りモノを着て、黒のふんわりしているが、裾が絞られたパンツをはいた、この辺りでは見られない垢抜けた色っぽい女性2人が立っていた。
「こんにちは。明日から3日間、興行いたしますの。
是非、お寄りくださいね」
「あら、ありがとうございます。
わざわざ来てくださったの?」
コラが言うと、ビラを渡しながら、営業ですから、とにこやかに話して帰って行った。