身代わりの姫


翌日。

夕方、コラとデジレがグレーのワンピースとベールに着替えて、公演に行った。



一人でいると、ドアがノックされた。



そっとドアを開けると、カッターシャツに黒のベストと黒のパンツのガストンがいた。


目を見張ると、家に1歩入ってドアを閉めた。



「お元気で良かった、お久しぶりです」


「ええ、あなたも。お茶、淹れますわ、中へどうぞ」



食卓の椅子を勧めた。


いえ、と座ることすら遠慮しているガストンに無理やり座らせた。



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