身代わりの姫
「ジルは………この2年間で側室を迎えたの?」
一瞬だけ口元をニヤリと動かしたガストンが真面目な顔で言った。
「側室は取っていませんが……………
リリア様はいかがですか?
恋心をもたれることもあったのでは?」
最後の言葉でニヤリとしたガストンに、この前のエドから告白を受けたことを知っている気がした。
「………………さあ?………………いえ、私が誰かを慕うことはありませんわ」
と答えて、じっとガストンを見つめた。
「それなら、王太子もお喜びでしょうね」
それから暫くこの町のことや、城のことを喋って帰って行った。