身代わりの姫
9時からの礼拝には、町の人々がいつもよりも集まった。
賛美歌をオルガンで感謝をこめて弾いた。
「最後に、今日、サリが自分の道に進みます。
一緒に暮らした私も、寂しく感じますが、ここで過ごした時間は、サリにも私達にも思い出になります。
そして、この先、私達はサリが残してくれた優しさや知識を、サリはこの町の暮らしや様々な町に住む人を忘れず、それぞれの道を幸せに歩んで行くことを、願っています」
コラが温かい言葉で締めくくってくれた。
礼拝が終わると、たくさんの人が声をかけてくれる。
見送りに行けないけど、元気でな、そんな言葉がありがたい。