身代わりの姫


9時からの礼拝には、町の人々がいつもよりも集まった。


賛美歌をオルガンで感謝をこめて弾いた。


「最後に、今日、サリが自分の道に進みます。

一緒に暮らした私も、寂しく感じますが、ここで過ごした時間は、サリにも私達にも思い出になります。

そして、この先、私達はサリが残してくれた優しさや知識を、サリはこの町の暮らしや様々な町に住む人を忘れず、それぞれの道を幸せに歩んで行くことを、願っています」



コラが温かい言葉で締めくくってくれた。




礼拝が終わると、たくさんの人が声をかけてくれる。


見送りに行けないけど、元気でな、そんな言葉がありがたい。



< 258 / 279 >

この作品をシェア

pagetop