身代わりの姫
「サリ様!」
後ろから数人の顔を布で覆った男たちが走り出てきていた。
すぐに剣を構えているガストンの横に行くと、そろそろうちの兵も来るはずです、お守りします、と耳打ちされた。
ガストンのもう一本の剣を取り、構えた。
「サリ様?」
驚くガストンを無視したのは、1人の男が剣を構えて向かって来たからだった。
その剣を正面から受け止めて、男の腹に思い切り蹴りを入れた。
臍より少し上を狙えば男でも暫く立てない、それができなかったら股の間を狙え、と教えられた。
その男も、地面でもがいている。