身代わりの姫
部屋の1つだけのベッドに座って、熱いキスを、する。
何も考えられない。
ガウンを羽織って紐で縛っただけのシリルの上着を脱がした。
「アリア?………泣いてる?」
今、やっと気付いた。
影武者になることは、もうシリルとはこんな時間を持つことが出来ない、と。
「……最後なのよ」
「任務が決まったのか?」
「まだ、言えないんだけどね……いつか、また会えたら………その時は……」
抱いてね……
「……分かった」
思い切って、服を、脱いだ。
「アリア?お前………?」
「初めての相手は、まだ分からないけど、私を、見て」
腕を引かれて、そのままベッドに押し倒された。
胸を触られ、全身にキスをされる。
シリルの指が胸から腹部へ、その下へと進んだ。
恥ずかしさで目を閉じた。
指を、感じた、と思ったが、離れた。
それが、どういうことか、分かった。
涙が、溢れた。
結ばれてはいけないこと。
「お前の気持ちは、分かったから………泣くな」
シリルに全身を抱きしめられて、シリルの熱いものも感じた。
その証を、手で触れた。
いつか………あなたと………