身代わりの姫



後宮に戻り、休んでいたリリアの部屋に行くと、労いをこめたお茶を頂いた。


「初めての視察はどうだった?」

王女にそう聞かれ、視察先の病院を思い出した。

「そうですね………職員の数を増やした方がいいのかなと、思います。

病状が軽い人たちの病棟を回りましたがたくさんの方にお祝いの言葉をいただきました。
少し動ける方の為にも本などを増やしても良いかと。

可愛らしい子どもたちに、朝ご飯は何か、と聞かれたり少しカードゲームもいたしました。

楽しかったですわ。

でも、病院にかかるお金も、考えなければならないですね。
病院に行けない人もいるでしょうから」


明日以降、感想を聞かれても良いように、引き継ぎをしておく。


「ありがとう、お疲れ様。
これから視察や慰問も増えるかもしれないわ。

よろしくね」

「はい」

そう言って、私の部屋へ戻った。









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