身代わりの姫
第3章
1
その時、ドアが、ノックされた。
開ける気配がないので、ドアを少しだけ開けると、コゼットがいた。
「王妃がお呼びです。上の応接室へ。
私は、王女の所へ行きます」
「何かあったの?」
そう聞くと、少し眉をひそめたコゼットは
「詳しいことは、まだ分からないの。
でも、軍服を着た人が走っているのが見えたから、緊急のことが起こったのかもしれないわね?」
「……よく分からないけど、急いだ方が良いのね」
2人で、後宮の廊下を歩き、王女の部屋の前で別れて応接室に向った。