身代わりの姫
王女の準備は、他の侍女に任せて、側に控えるための準備をしていた。
顔を隠す布を取り付けるが、2日前に私が王女として会ったジルベールは、それでも気付くかもしれないという不安があった。
いつもと違って、前髪を額に斜めに沿わせ、サイドの髪を少しだけ下ろしてカールさせた。
時間になり、後宮のホールに行くと、王家のそれぞれの護衛隊が隊ごとに整列していた。
今日の予定を確認してしばらくすると、会談する王と王太子が降りてきて、護衛隊を連れ、王宮へと向った。
シリルも並んで行くのが見えた。
すっかり遠い人になったと、小さくため息をついた。