身代わりの姫


「多分、ジルベール王子はお前に優しくしてくれるだろう。
政略結婚のようになっているが、お前は望まれて嫁ぐんだよ。



だよな?」


え?と目を見張って王太子が最後に問いかけた王をみた。


「結婚させてほしい、としつこく食い下がられた。

気に入られたのは、あの時、港で会ったお前の方だよ。


リリアが会った時は、リリアの体調が悪かった。
別人かと気付いていたかは分からないが、花嫁は乗馬をたしなみ、明るく健康だと伝えてある。


向こうでどのような生活になるのか分からないが、色々聞いてきたことを考えると、悪くない生活環境が用意されてるだろう。


お前らしく、幸せになりなさい」


「そうですか………」


命を絶ってまで結婚を拒否したリリア。
それなのに、その結婚で私は幸せになれると………?



複雑な気持ちだった。



王が立ち上がり、書斎用の机の上にあるベルを鳴らした。




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