身代わりの姫
「そろそろ、行こうか……」
立ち上がり、ベルを押した王に続いて立ち上がると、王に抱きしめられた。
「アリア、ありがとう。身体に気をつけて……幸せに」
「お父様も………」
王から離れると、王妃が私を抱きしめた。
「アリア…………」
「…………お母様………」
言葉は無くても、思いが伝わる。
背中を撫でられて、王妃の暖かい気持ちを受け取った。
王妃が離れたとき、ノックされてマアサが入ってきた。
王と王妃に続いて、王太子が私の背中に手を回して一緒に部屋を出た。
「では、また明日な」
それぞれの部屋に戻る3人を見送った。