ただ、好きだって言えたなら
プロローグ~もしもあの時~
少し、緊張した気持ちで玄関を開ける。


空は程よく晴れていて、風は暖かい。



短くなった髪がふわりと浮いた。





「行ってきます!」









今日もサラリーマンから学生、おじいちゃんおばあちゃん、色々な人が歩いてるコスモスロード。




何一つ変わらない町。なんにも変わらない風景。




ただ、変わったのは……






『おーい!なのかーあ!』





「……」




私の隣にはもう……
太陽みたいに笑う、キミがいないこと。




もしもあの時、



キミが好きだって。言えたんなら……






菜乃香side
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