ただ、好きだって言えたなら
「ねぇ、クラスどうだった!?」



「一緒だよ!キャー!」



「またお前とか~」



「それはこっちのセリフだぜ!」





学校に着くと、クラス名簿の前で様々な会話が飛び交っていた。




「陽斗、何組だった?」


神様……お願い。


「俺は……あった、1組だ」


「え……」


ウソ。

「菜乃香は?」


「……5組」



「そっか。一番遠いね」


「うぅ……でもさ、休み時間とか」




「陽斗くんーー!」



「うぉわ!」




ドカドカドカとやって来たのは陽斗のファンのなんとかさん。




「陽斗くんっ何組!?」


「え、いちく」


「キャーア!私と同じ!」




「……」




顔がいいから陽斗も一応モテるらしい。



朝なんて登校するだけで女子達の黄色い声……。



「あ、菜乃香!」




声の方に振り返ると、親友の早苗が。



「早苗!何組?」



「もち!菜乃香と一緒の5組!」


「やったぁ!」



「ねぇ!早く教室行こっ」




「うん!……あ、でも陽斗が」



ちらりと陽斗を見るとまださっきのなんとかさんと話してる様子。



「ま、いっか。行こ!」
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