ただ、好きだって言えたなら
体育館は紅白に飾り付けられ、中には一年生の保護者と見られる人だかり……。




あたし達はイスに座り新一年が来るのを待つ。





「なぁなぁ」




待っていると、隣の和田涼真くんが話しかけてきた。




「何?」




どうしたんだろ……まさかさっきの陽斗のこと!?




「これ、あとどんくらいで終わんのかな」





…………



……は?




「いや、今来たばっかじゃん!今さっき座ったじゃん!」




何なのこの人……晴れ晴れしい入学式を……こんなふうに思っているなんて!





「ふわぁぁぁ……俺、昨日ゲームやって眠いんだよね」





「はぁ……」




いや、知らねーよ。知らないし。




「とにかく、俺寝るから。後で起こしてよ」




「え、やだよ。って!本当に寝るな!」




「……zz」



「……」




もういいや……絶対起こしてやんない。









この後、こいつが怒られたのは言うまでもないよね。
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