公園で王子様を拾いました!
週刊誌に載った写真と同じ。


どう見てもこれは智哉だ。


封筒の中には違う日に、違う女とホテルへ入っていく姿。


その封筒を智哉に叩きつけた。


封筒の中身が床にこぼれる。


「あったのか。」


「これって、みんな智哉だよね。スキャダルをでっち上げただなんて、おお嘘。」


智哉が写真をマジマジと見た。


「それは俺じゃない、兄の真也だ。」


え、だって、智哉とそっくり。


智哉が笑う。


「双子だから似てて当たり前。」


双子なの。


見合けがつかない。


「真也は左目の下にほくろがあるだろ。俺にはない。真也は俺の名前を使って、女と遊んでたからな。」


中々なるな、双子の兄は。


どうやって、このスキャダルのでっち上げが、智哉でないことを、証明するのだろうか。


相手の女を探して、智哉が会えば分かってもらえるかも知れない。


封筒の中にまだ残っていた物があった。


それは小型の録音機。


智哉が私の手からそれを奪い取る。


「麻都佳、でかした。」


思いきりハグされてます。


ちよっと、離しなさい。


どんなに暴れても、離してくれそうもないから諦めた。


智哉に振り回されぱなしだ。


おまけにごほうびだと、頬にキスされました。


こう言う事に慣れてないんだから、止めてほしい。


結局、掃除をせずにそのまま帰る事に。


後は砂川さんが片づけてくれるらしいけど。


まぁいいか。





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