公園で王子様を拾いました!
なに、なに、何でこんなにスピード出してるのよぉ。


スピード違反で捕まるから!


「多分、終われてる車を巻きました。もう大丈夫です。」


大丈夫じゃないし。


吐きそうだし。


気持ち悪い。


お願いだから、これ以上私を巻き込まないで。


そのまま会社へ戻った。


母さんは呑気に早かったわねと笑うけど、笑えません。


何故か砂川さんも一緒に私の部屋に向かう。


絶対、誰かにつけられていた。


本当に大丈夫だろうか。


部屋に入る前に辺りを見渡し、砂川さんがつけられていたが、巻きましたから大丈夫だと言った。


砂川さんがそう言うなら、信じるしかない。


智哉が社長室から持ち帰った、証拠を取り出す。


何回見てもこの写真は智哉その物。


小型の録音機の声は雑音が入り聞き取りにくい。


「この証拠は私が持ち帰ります。録音機の声は何とか再生させますのでご安心下さい。」


智哉のマンションは相手に知られてしまい、危ないと言う。

智哉がここに住むことは決定らしい。


いつの間にか智哉の荷物が増えてるし。


私は一人子だから、分からないけど、兄弟で争う必要があるのか。


智哉はそんなに社長になりたいの。


「兄弟で社長の座を争うとか、私には理解出来ないんだけど。」


「麻都佳にはまだ話せないけど、俺には守りたい者があって、その為には社長にならないと駄目なんだよ。」


守りたい者?


守りたい女性ってこと?


そんなに守りたいほどの大切な女性がいるなら、何で私を彼女にしたのだろうか。


一時の気紛れ。


それとも、浮気。


恋愛経験のない私には理解出来ない。


疲れた。


智哉とは話したくもないや。






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