公園で王子様を拾いました!
智哉がお風呂に入ってるうちに、申し訳ないと思いながら砂川さんの連絡先を探した。


スマホを触ることは無理。


そう言えば、何か困ったときにと、名刺を貰ったことを思い出した。


その名刺を握りしめ、電話してみると、直ぐに砂川さんが出たので、真也に会いたいことを伝えると、何も聞かずに了解しましたと言う返事。


直接会うことは無理らしい。


明日の夜にでも、友達に会うと言って、家を出た所へ砂川さんが迎えに来てもらう事にした。


上手く智哉をごまかせるか、心配。


言い訳を必死に考えてる時に、電話がなった。


友達の咲希からだ。


「明日の夜に会えないかな?緑がデキ婚するらしくて、お祝いをみんなで上げる事になったの。」


「大丈夫だよ。」


待ち合わせに場所と時間を決めてもらう。


これで智哉に心配かけずに出かけられる。


「誰から電話。」


「明日友達と会うことになったから、夕方出かけるね。」


智哉に見つめられて、ドキマギしてしまいそうなのを必死に隠した。


「俺も一緒に行くよ。」


いえいえ、それは駄目。


「女友達と会うから、智哉は連れて行けない。ごめんね。」


「彼氏として、紹介してほしいな。」


ごめんなさい。


仕方なく、又今度友達に紹介すると約束をしてしまったけど。


智哉は彼氏なのかと自分に聞いてみたけど、答えは出るはずもなく。


智哉に内緒で真也に会うことは、本当に申し訳ないけど、友達と会うのは本当だし、真也と二人で会うわけてはないのだと、自分に言い聞かせた。


智哉の真っ直ぐ見つめるその目が今日は辛い。


ここから逃げ出したい気分だった。







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