公園で王子様を拾いました!
智哉が好きだと気づいてしまうと、上手く会話も出来なくなり。


智哉が近づいて来て、私の額に自分の額を近づけようとするのを思いきり避けると。


肩を捕まれ智哉の額が私の額にあたった。


「なんで、逃げるんだよ。熱があるんだろ。顔が真っ赤だ。」


嫌、違うから。


恥ずかしくて、ドキドキ感が半端なくて、心臓が飛び出しそう。


お願いだから、それ以上近づかないでほしい。


スマホに咲希からlineが来ていた。


「今どこにいるの?会いたいんだけど。」


私が返事をしようとすると、スマホを智哉に取り上げられる。

ここにいることは誰にも言うなと言うけど、咲希は親友だから、大丈夫なのに。


智哉が大きめな封筒を私に渡す。


中を見ろと言うこと?


中身を出すと、咲希と知らない男性が写った写真が出てきた。


この男性は誰なの?


一緒に入っていた用紙を見ると、小澤直人と仲村咲希は恋人同志だと書かれていた。


え、どういう事。


咲希が専務の恋人。


咲希からそんな話を聞いたことがない。


咲希は幼稚園からずっと一緒で、この町を離れてからもずっと連絡を取り合ってきた。


この町に戻ってきた時、最初に連絡をして、その後も何度も会っているし。


この前会いたいと連絡をしてきたのは、緑のデキ婚の話じゃなかったのか。


もしかして、私に近付く為。


智哉は咲希から連絡が来たら、直ぐに知らせろと言われた。


ここにいることは絶対言わない方が良いと。


親友に裏切られたのだろうか。


咲希に確かめたいけど、今は智哉の言うことを素直に聞いた方が良いと思えた。









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