公園で王子様を拾いました!
何度も咲希からlineが来たけど、無視をし続けると電話が鳴った。


どうしても私の居場所を知りたい訳。


「私は麻都佳が智哉に騙されてないか、心配なの。直ぐに私に連絡して。」


私を騙してるのは、咲希、あなたよねと言いたいのを我慢して、スマホの電源を落とした。


今は居場所を知られる訳には行かない。


「ここが見つかるのも時間の問題だな。明日早くここを出よう。」


ここを出て何処へ行くの。


行く場所があるのだろうか。


智哉が大丈夫だと言うなら、智哉にすべてを任せよう。


早めに食事を取り、眠る事にしたが、中々寝付けない。


智哉の腕枕で、おとぎ話を聞いてるうちに眠ってしまっようだ。


外がまだ暗いうちに起き、荷物を詰めたリュックを背負い山道を歩く。


歩くのは得意だ。


ちよっとした探検みたいで最初は楽しかったけど、二時間も歩き続けると、運動不足の体にはかなりきつかった。

智哉に手を引かれ、転ばないように前へ進む。


なんで、どうしてこんな事になってるのだろう。


疲れた、本当につかれました。


「もう少しで着くからな。」


「うん。」


智哉と一緒なら、大丈夫。


目的地まで二人で突き進んだ。


こんな事には負けない。


私は真也でなく智哉と結婚したいと強く思った。


辛いときも楽しい時も、智哉が隣にいてくれればそれでいい。






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