公園で王子様を拾いました!
少し休もうと腰を下ろすと、カザカザと人がいる気配がした。


誰?


まさか、熊とか?


ここで死んじゃうの。


まだ、死ねないよ。


「良かった。無事なんだな。」


どうして、真也がいるのよ。


智哉はもしかして、真也が来るの知ってた。


ちょっと待って。


頭の整理がつかない。


智哉が社長になったことを真也がよく思わなくて、真也の秘書が智哉のスキャダルをでっち上げたのではなかったのか。


真也がゲラゲラ笑う。


「麻都佳のその顔久しぶりに見たな。」


今、私はどんな顔をしてるのだろか。


「驚き過ぎて声も出ないか。」


智哉はなんか楽しそうだし。


社長の座を狙う、険悪な兄弟ではなかったのか。


「俺は別に社長になりたい訳じゃないし、でも、麻都佳は欲しいと思ってるのけどね。」


智哉が真也の胸ぐらを掴む。


こんな所で兄弟喧嘩は止めてほしい。


「こんな事をしてる場合じゃなかったな。車で来てるからそこまで歩けるか?」


無理。


一歩も歩けない。


真也がおんぶしてやるぞと言うのを丁寧に断り、歩く事にした。


真也を信用しても良いのだろうか。


智哉と真也は小澤直人に兄弟の仲が悪いように思わせる為に、わざとそうしていたらしい。


小澤直人はどんな人なのだろう。






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