公園で王子様を拾いました!
勝手に婚約発表迄されて、イライラはピーク状態。


明日の新聞にも載るらしいけど、やっぱり私がいなくて良かったと思った。


結婚する訳でもないのに、顔が公になろうものなら、恥ずかしくて生きていけない。


苦しいと思ったら、ドレスを着たままだった。


脱ごうとすると、智哉がまてと近づく。


嫌々、来なくていいから。


「はい。ハンザイして。」


何をする気でしょうか。


まさか?


「俺が脱がすから。」


ばっかじゃないの。


近づいた、智哉を一発殴った。


泣かなくてもいいでしょ。


「痛い。」


痛い?


嘘。


「麻都佳に傷つけられたから、責任を取ってもらうかな。」


そんなぁ。


大したことないと思うのに。


「責任を取って結婚してもらう。」


結婚ですか。


良いですよ、結婚してやろうじゃないか。


智哉の首に手を回して、キスをした。


智哉の驚いた顔が面白くて、大爆笑。


「やられた。」


うふふ、私だって、やるときはやるんです。


楽しい。


智哉といると、ドキドキしたり、ハラハラしたり、でもね、今迄味わった事のない幸福感を感じられる。


だからね、智哉とずっと、こうして笑っていたい。


強く、強く、願っています。








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