公園で王子様を拾いました!
この運命に逆らいたいけど、不可能に近い。


だって、ほらね、又移動しなくてはいけなくなった。


砂川さんから、なるべく遠くへ移動するように言われたらしい。


夫婦になれたと思ったのに、又逃げるだなんて悲しすぎます。


でも、小澤親子の悪事を見逃す訳にはいかないなら、戦うしかないのだ。


戦うからには、絶対負けたくない。


「急げ!」


智哉に急かされて、砂川さんが用意してくれた車にのった。


「大丈夫だからな。絶対、麻都佳を誰にも渡さないから。」


うん。


智哉が守ってくれるなら、絶対大丈夫だと思えた。


昔から智哉は苛めっ子から、守ってくれたし。


両親と喧嘩して家出をしたときも、直ぐに迎えに来てくれた。


そして、必ず麻都佳は悪くないからなと、頭をなぜてくれると、涙が止まった事を思い出す。


智哉がそっと私の頭をなぜる。


これは大丈夫の合図。


智哉と私の未来に向かって、戦力で逃げてやる。





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