公園で王子様を拾いました!
頭が痛い。


ここは何処なの。


椅子に縛られていた。


「目を覚ましたみたいね。麻都佳は人を疑う事を知らないお嬢様だから。」


お嬢様じゃないし。


「あれ、どうしてこんなことになってるのとか思わない訳。」


「咲希、そんなにイラつくな。お姫様が泣きそうだぞ。」


泣いてなんかいない。


目の前にいる咲希が別人に見えたことに驚いただけ。


「俺の大切な婚約者になるわけだから、丁寧に扱わないと駄目だろ。」


はぁ。


あんたなんかと結婚するか。


怒鳴りたいのを必死に我慢した。


こんな縄は直ぐにほどけそうだし、小沢直人が近づこうものなら、蹴りあげて叩きのめす事は多分出来ると思うけど。


早く助けに来てよ。


小澤直人が近づいてきた。


「麻都佳が悪いんだからね。私の大切なものを取り上げたから。」


咲希の大切なものを。


「私は智哉がずっと好きだったのに、麻都佳はが意地悪をしたから、許せなかった。」


咲希の勝手な思い込みで、逆恨みされても困る。


だから、麻都佳ちに復讐することにした。


咲希はそう言うと部屋から出て行く。


「お姫様を助けなきゃね。」


離せ!


暴れてやる。


小澤直人に担がれたまま、暴れた。


何処へ連れていくのよ。


隣の部屋には直人の父親がいて。


私はベットに放りなげられた。


全てがこれで上手く行くと、小澤親子が笑う。


絶対、そうはさせい。


智哉は何処にいるのよ。






< 83 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop