彼女の恋人は彼女
ユカ達がK’Sに着くと狭いカウンター席は顔見知りばかりだったが奥の席で見知らぬ二人組がいた。
優が早速、二人組の隣に座り声をかけた。

「こんちわ!あんまり見ないけど、この店初めて?」「あたしら関西から来てんねん」
「関西かぁ〜ところで二人は付き合ってるの?」
「あたしらは付き合ってないけど、二人共彼女いるで」
「彼女おいてこんな所に来たらダメじゃん!」
「あたしはもう別れるかもしれんから良いの」
奈良から来たという二人の内でタカコと名乗る女の方が、しゃべり続ける優を遮りユカの方に体を向けて話し始めた。
「キミおとなしいなぁ〜」「コイツ人見知り激しいんすよ」
タカコは優の言葉は完全無視した。
「キミいくつ?」
「19です」
「若い〜あたしより五つも下やん」
「…」
「ねぇ、キミ彼女いるの?」
「今はいないけど」
「ホンマに彼女おらんの?めっちゃカッコイイしすごくモテそうやのになぁ〜」「全然モテないですよ」
「あたしがフリーなら絶対ほっとかんよ!」
タカコは更にユカの方に体を寄せてきた。
「ジャニーズにいそうとか言われたりしない?」
「ああ、たまに言われるね」
タカコはユカをじっと見つめていた。
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