冷愛冷涙-Reiai Reirui-
全てがモノクロのように見えるんだ。


まるで色を失ったみたいに。


失ったのは心……だけどね。


「愛?聞いてる?誕生日ぐらい蒼汰と偽デートしてあげなって」


………。


「わかったから」


これ以上断ってもムダ。


「愛…なんか変だよ……」


変……か。


変になっちゃうに決まってるじゃん……っ。


こんな状況……っ。


「お願い…私に構わないで…」


嫌だ。


正常な人と関わるのが…。


こんなに拒絶反応がでるとは思ってなかった。


そんなに心が荒れてるのかな。


「何で…?」


悠里は、戸惑い気味の、それでいて鋭い感じで聞いてきた。
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