冷愛冷涙-Reiai Reirui-
「俺が男に見えねぇってことか」


ムッとしたような冷の声。


「違うよ。信用してるんだってば」


冷が優しいのは知ってる。


今私が着てる服だって、全部冷が買ってくれた服。


「あっそ」


冷は、本当に興味がないときも〝あっそ〟って言うけど、照れてるときも〝あっそ〟って言う。


1ヶ月一緒にいて、ようやく発見した癖。


「……もう体調平気か?」


沈黙になりかけたとき、冷が訪ねた。


「………まぁ」


…私に、〝平気〟になるときはもう二度と訪れないだろうな。


死しかないから…。


「あんま無理すんなよ」


最近、冷が優しい。


出会った頃は、冷たそうな人に見えてたのに。


「大丈夫」
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