冷愛冷涙-Reiai Reirui-
「おい」


毎日聞く、低めの声。


パッと顔を上げると、なぜか冷が立っていた。


「お前、愛のこと泣かせてんじゃねぇよ」


決して大きくはない冷の声。


だけど、冷たくて、威圧的な声だった。


「…え……?」


蒼汰は、冷のハデな金髪と、私を交互に見る。


〝何で晴風の生徒がヤンキーと関わってるんだ〟


とでも言いたそうに。


「愛のこと泣かすなっつってんのが聞こえねぇのか」


冷はからは、ドス黒いオーラが発せられている。


「は……はい…」


蒼汰は、縮み上がってしまって、足が震えてるのがわかった。
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