冷徹社長の容赦ないご愛執
日本語、通じてますよね。
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 社長室から一番近い、二十四階にある経営戦略室フロア。

 オフィスルームのほか、大中小の会議室は、隣り合う部屋同士は壁で仕切られているものの、廊下から見るとすべてガラス張りになっている。

 常になにかしらのミーティングが行われており、オープンになっている部屋ではなんの隠ぺいもできない。

 新社長への挨拶をさせようと、通りかかった部屋の会議を止めようとした浅田室長を、社長は英語で制した。


『わざわざ止めさせることはない』


 明るいグレーのカーペットを踏みながら、社長は案内のために先を歩いていた浅田室長を追い越して行く。


「挨拶なら、今度の臨時社員総会でするので大丈夫だそうです」


 ミーティングルームの前に浅田室長を置き去りにしながら、社長が言い残した言葉を拾って伝えると、見上げた室長の目元はわずかに歪みを見せていた。
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