世界できっと、キミだけが
「小野田紗千としての生活全て犠牲にする必要はないと言っただろ」
「それはそうだけど…」
それは竜の意見でしょ?
竜は私が狙われているかもしれないと私が知っていることを知らない。
しっているからこそ、私は学校に行ってもいいのかって思うのに。
「お前はさ、お人好しっつーか、ただのバカだよな」
「はっ!?」
「身代わりになって、危険な事に巻き込まれて怖い思いもして。どうして逃げないんだ?」
突然なにを言い出すの?
逃げないのかって…。
そんなこと、考えられなかった。
宇都木社長はそれくらいの威圧感を持っていて。
拒否も否定も逃げることも考えられなかった。
現に借金は全て宇都木の手によりなくなって。
助かったのだって事実なのだもの。
それが強引なやり方だったとしても。
「最初、私のこと否定してたのに」
「それは、勘違いしていたからだ」