世界できっと、キミだけが


突然、なにか冷たいものが顔にかかる感覚に目を覚ました。



「えっ!?なに…!?」



慌てて起き上がると、頭がグワングワンと響く。
イタタタタ、と頭を抑えながら顔を歪めた。



「いた…、なに、ここ…」

「ここは、会場のホテルの客室だ」

「え…。あ、竜!って、なにこれ水!?」



私はいつの間にかベッドの上に寝かされていて。
目の前には般若のような顔の竜。
私は水をかけられポタポタと顔から水が滴ってるし。
いったい、何が起きたんだっけ?



「飲み物の中身の確認もせずに飲んでぶっ倒れるなんて。お前はまだ自覚がないのか」

「え…、中身って…」

「お前が飲んだのは、酒だ」

「え…お酒…?」



そう言えば、私浩一さんとテラスにいて。
飲み物をもらって飲んでから、それから…。


それからの記憶が、ない。




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