世界できっと、キミだけが
「ご、ごめん…さない……」
私、また失敗しちゃったんだ。
ポロポロと溢れだした涙。
「…、なんで泣く」
「だって、また竜に迷惑…っ。私、私……」
「はぁ…。別に、迷惑なんてかかってない。それに、ちゃんと警戒してたって聞いた」
竜は困ったように髪をかきあげながらそう言う。
聞いたって…。
もしかして、浩一さんに?
「ただ、ただ俺がイライラしてただけだ」
「イライラって…、なんで?」
「なんででもいいだろ。いいから泣きやめ、バカ」
「バカって…」
なによ。
私は言われるまま、涙を拭う。
でもそっか。
急にフワフワしたのも、お酒のせいだったんだ。
お酒なんて初めてだったからわからなかった。
「体調は」
「え…、あ、ちょっと頭が痛いくらい…」
「ならもう少し休んでおけ。社長にも許可は取っている」
「…ありがとう」
最後までちゃんと自分の仕事できなかった。
情けないな…。
そう思いながらバタン、と後ろに倒れこんだ。