世界できっと、キミだけが


「大丈夫か?」



ハッとして我に返る。
私、ボーッとしていた。

お風呂に入っていて、出て服を着てそれから…。
そのままぼんやりと外に出てきてた。
目の前には怪訝そうな竜。



「竜…」

「のぼせたのか?」

「え、いや…、ううん。ごめん、なんでもない」



目の前にいる竜を見つめる。




「部屋まで送る」

「ありがとう…」




こんなにも優しい彼が、裏切る…?
私の頭の中はそのことばかりが巡る。

だめだ。
こんな風にモヤモヤしてたっていつまでたってもわからない。




「竜。部屋に戻ったら聞きたいことがあるの」

「…聞きたいこと?」

「うん…」




はぐらかされても構わない。
それでも何度だって食い下がって聞き出す。

自分が安心できるまで。




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