世界できっと、キミだけが
「…はあ。それを話せば、お前のその眉間のしわは取れるのか?」
「え…?」
「ずっと難しい顔をしてるだろ。そのことが、気になってたのか?」
気づいてたんだ。
確かに、わかりやすかったかな。
ボーッとしてたし。
考え込んでいたのは確か。
でも、竜は私の事よく見てくれている。
気づいてくれるし、優しくもしてくれる。
「面白い話でもなんでもないぞ」
「うん。それでもいい」
「誰にも言うなよ」
「わかってる。言わないよ」
ただ、自分が安心したいだけ。
だって竜なはずない。
だから、竜じゃないって胸を張って言うためにも。
竜の事をもっと知りたいんだ。
「…わかった」
そう言うと、竜はゆっくりと話し始めた。