世界できっと、キミだけが
「お前はバカだ。まんまと乗せられて、社長の思うつぼだ」
部屋に戻ると竜がむすっとした表情でそう言った。
せっかく守ってくれようとしたのに、私が邪魔をしたんだもんね。
しかも、これが初めてじゃない。
「毎度毎度、なに自ら危険なところに飛び込もうとするんだ」
「別に、飛び込もうとしてるわけじゃ…」
「散々な目に遭って来ただろ!怖くねぇのかよ」
いつになく感情的な竜。
なんで…?
別に、私の事なんてなんとも思ってないくせに。
そりゃあ、私がいくってことは竜の仕事が増えるってことで。
「怖くないわけないじゃん…。でも、仕方ないでしょ。断ることなんてできないって、竜の方がわかってるはずでしょ?」
「…それは、そうだが…」
「竜にとっては、私は仕事相手、護衛対象ってやつでしょう?別に、そこまで気にしてくれなくていいよ」
なに言ってるんだろう。
私が竜の事ボディーガードとして見れていないのに。
それに、竜にただの護衛対象だと思ってほしくないって思ってるのに。
ほんと、素直になんてなれない。