世界できっと、キミだけが
「あの、久住さんこそ大丈夫なんですか?ケガとか…」
「俺?俺は全然。かすり傷一つないよ」
「あ、そうなんですね…。よかった」
サラリと当たり前みたいに答える。
凄いな。
あの犯人を躊躇なく確保しに行っていたもんね。
さすがプロ。
竜も、銃を向けられても全く動じてなかった。
私なんて恐怖で震えたのに。
「とりあえず鹿島は待機してもらってる救急車で病院だ。紗千さんは…」
「私も付き添います。いいですか?」
「別に俺は…」
「わかった。じゃあ一緒に救急車にいってくれ」
「はい」
あんな告白しちゃった後だけど、竜の怪我はやっぱり私のせいだし。
ちゃんと最後まで付き添いたい。
「いこう、竜」
「あ、ああ…」
竜は少しだけ戸惑いながら歩き出した。