世界できっと、キミだけが
竜の怪我は血の量ほど酷くはなかったみたいで、弾も貫通しているしそれこそ掠った程度だったから手当てが済んだらすぐに帰ってもいいとのことだった。
「よかった…」
「だから大したことないって言ったんだ」
「でも、あんな血が出てたし…」
心配位するよ。
竜は心配してほしくないんだろうけど。
「それに、拳銃なんて初めて見たんだもん…。撃たれたってなったら怖くもなるよ」
「怖い思いさせて悪かったな」
「え?別に竜のせいじゃないじゃん…。言ってみたら私のせいなんだし…」
「だから、それは違うって言ってんだろ!」
「じゃあ、竜のせいだって違うでしょ」
さらりと言ってのけると、竜はグッと言葉をのみこんだ。
竜は優しいからそんな風に言ってくれるけど。
でもあの犯人からしたら私の存在が憎くて、恨めしくて。
頼まれてやったことだけど、私への恨みは本物で…。