世界できっと、キミだけが
自分が誰かから恨まれることになるなんて思ってもみなかったよ。
「てか、お前のかっこ目立つな」
「あ…!そ、そうだ。早く帰ろう!」
竜の傷の手当てするのにドレスの裾破ったんだった。
それ以前に病院で赤いドレス姿なんて目立ちすぎる。
ハッと周りを見れば、確実に周りの視線は私に向いていた。
「いこ!竜!」
「お、おい!」
竜の手を引っ張って病院の玄関に向かう。
恥ずかしすぎる。
こんなドレス、普段から着慣れないのに。
会場では周りもそんな感じだからいられたけど。
こんなところで私一人こんな姿だなんて、居たたまれなさすぎる!
一刻も早く帰らなくちゃ。
帰ることに必死で、思わず竜の手を掴んでしまっていたことに気づくのはずいぶん経ってからだった。