世界できっと、キミだけが


「それに伴って、相続問題にも片が付きそうでね。文句を言う者もいなくなったし。期待以上の結果を残してくれたよ」

「それはよかったです…」



満足そうでなにより。
全員揃えて、自慢したかったんだろうか。
財産をほとんど一人占めできたって。
つくづく嫌な人だ。



「というわけで、取り急ぎキミとの契約を終了させようと思う」

「え…」

「必要以上に幸子が狙われる状況は脱した。雑魚どものはいるだろうが、それはこれまでと同じだろう。そろそろ幸子も本格的に動かねばならんしな。いつまでも雲隠れもさせてはおけん」

「…はぁ」

「キミには感謝しているよ。思った以上の結果を残してくれたんだ、それ相応の手当てをつけよう。準備次第、振り込ませてもらう」

「結構です!そんな、別に私は…。借金を返していただけただけで十分」



それ以上もらういわれはない。
そんなお金、いらない。



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