世界できっと、キミだけが
「ちょっと待ってください。まだ犯人が身代わりの件を知っていたことの裏は明らかになっていません。この状況で契約を切るというのは、無責任じゃないですか!?」
声をあげたのは竜。
いつだって私を護ろうとしてくれるんだね。
「いかなる危険が降りかかる可能性があると、最初に伝えてあっただろう。その上で引き受けた。犯人が捕まっている以上、これ以上は可能性にすぎん。なにもない可能性もあるだろう」
「それはそうですが…!」
「今回は、鹿島の意見に賛同です。今彼女を自宅に返すのは危険です。もう少し明らかになってからでも…」
久住さんも竜に続いてそう言ってくれる。
「そこまで心配なら、個人的に彼女と契約をすればいいではないか。もちろん、我が娘を護る契約はしっかりと遂行してもらう上でだがな」
でも、社長はきっぱりとそう言い切る。
そういう人だ。
異論なんて認めない。